ジャマイカ新聞 「STAR紙」の読者を対象に「あなたにとって2005年に最も重要なレゲエ/ダンスホールの曲は?」というアンケートを紙面上で行った。
それによって選ばれたアーチストと曲が下記のリストだ。
今回のアンケート調査では、ダンスホールのシーンに与えた影響力、リリックスの内容、社会問題との関連性、そして現地ではもちろん国際的に認められているかどうかなど、様々な面から重要視し厳選された。
その際、曲についての議論が起き、それらの意見を簡単に編集したものが、下記のコメントである。
すべての曲が2005年にリリースされたものではないが、その年に大ヒットしたものである。
■JUNIOR GONG/WELCOME TO JAMROCK
この曲はグラミー賞にノミネートされたアルバムの中に収録されているヒットシングルだが、果たしてジャマイカの現実について正確に歌われていたかどうか、暴力を称賛し社会におけるすべての苦難を表しているだけではないか、などの議論も起きた。
■LEFTSIDE and ESCO/TUCk EEN YUH BELLY
これはLEFTSIDE and ESCOをスターダムにのし上がらせた代表曲となったが、歌詞の中で体重のことや体型のことを言うのは問題ではないかという討論が起きた。
■JAH CURE/TRUE REFLECTION
さらに論争の的になった曲である。
この曲は人気高いアーチストJAH CUREの投獄された男の改革についてを歌っていて、その歌詞には胸が引き裂かれるような強烈なメッセージが描かれている。
■T.O.K./FOOT PRINT
この大ヒット曲はインターナショナルの市場で大きくクロスオーバーし、またT.O.K.というグループにも非常に国際的な称賛をもたらした。これは家族の上に暴力が引き起こした結末を歌っている。
■GYPTIAN/SERIOUS TIMES
この曲は社会的に厳しい現実を正確に反映した歌詞の内容なので、非常に評判が良くたくさんの人達から愛された。
■BABY CHAM/GHETTO STORY
BABY CHAMはこの曲によって大きな復帰を果たした。彼自身が経験し見てきた過去の社会状況について歌っている。
■ELEPHANT MAN/WILLY BOUNCE
これはおそらく2005年の間で最も大きなダンスヒットチューンだった。
このダンスを創った"ボーグル"は、不滅のダンサーとしての名声がタイムリーに与えられた。今や"WILLY BOUNCE"は永遠のダンスとなり、ELEPHANT MANの歌詞にある「DANCE WILL NEVER DIE」という言葉に嘘はない。
■SEAN PAUL/WE BE BURNING
SEAN PAULのニューアルバム「TRINITY」からのヒットシングル。
この曲は、海外で相当な大ヒットとなり、BETとMTVでもヘビーローテーションでオンエアされた。
■VYBZ KARTEL/EMERGENCY
これはKARTELが多才で多面的なアーチストであるということを見事に証明させた曲である。
彼の力強い歌詞は、ジャマイカでの重く苦しい社会的な政治の状況についてが描かれている。
■I-WAYNE/LIVING IN LOVE
これも人々を勇気づけるメッセージが込められた非常に良い曲である。
私たちに必要なものは愛なのだということを訴え、我々を元気づけ、また若者には犯罪など犯さず農業を営んだ方がよいとアドバイスをしている。
■SIZZLA/RASTA NAH APOLOGISE
この曲は、同性愛の権利を主張する団体より、ダンスホールの中の「同性愛嫌悪」の歌詞が問題であると指摘されたことの反論を歌っている。
SIZZLAはこの問題について、アーチスト側の沈黙を破り、一人のアーチストとして、彼らの要求に対してレスポンスを返した。
■TURBULENCE/NOTORIOUS
2005年のこのヒット曲により、TURBULENCEはDEEJAYとしてさらに注目を集めた。
また彼にしては珍しくダンスホールの中のギャングスタ現象についてを歌ったので、今までとは違う新鮮な印象を与えた。
以上が、STAR紙による「2005年の最も重要な曲」のアンケート調査の結果でした。
みなさんにとって2005年の重要な曲って何でしたか??
考えるといろいろな曲が出てくると同時に、その時のシーンや状況も一緒によみがえってきますね。
今年はどんな曲が私たちの心を揺らし踊らせてくれるんでしょうか。
(情報提供:THE STAR)
Text: Kazumi(Ruff-Cut)